2016年 03月 05日

ハネケの怖い映画

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『ピアニスト』『愛、アムール』を観た勢いで、ハネケ監督・脚本の英語版『ファニーゲーム U.S.A』を。1997年に製作したオーストリア版を2007年にハリウッドでセルフ・リメイクしたもの。いささかの感傷もなく、伏線は回収されず、ハッピー・エンドにはならない。ハリウッド映画の手法に馴染んだ観客をこれでもかと裏切り続ける。ハネケ監督は世界一暴力的な映画を作ってみせて、暴力映画を快楽として量産するハリウッドを皮肉ったそうだ。悪い奴らは白い服を着て「あなたのお友だちの使いで来ました。卵を貸していただけますか」と猫なで声でやってくる。無防備な日常に入り込む理不尽な暴力。話せば分かり合えるのではないか、こちらが誠意を見せればあちらも応えてくれるのではないか、そういう期待はすべて拒絶され、救いようのない絶望感に包まれる。評価は不快極まると概ね低いが、映画体験としては鮮烈。★★★★★


by mllegigi | 2016-03-05 20:04 | 映画


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